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■モームが読んだ作家から


サマセット・モームは、『世界文学100選』(Tellers of Tales)に作品を選ぶに当たって、特に、アメリカの作家を随分とひいきにしている。(気がする。)この作品集の中では、ほとんどの場合、1人 の作家か ら、1つの短編となっているが、2編選ばれている作家もいて、それは、モーパッサン、キプリング、アーヴィング、シャーウッド・アンダースンと、ラード ナーである。
そんな背景の上で、Tellers of Talesに上がった作家のもので、僕が読んでみた短編集を参考までに紹介。

TheSkechBook

スケッチ・ブック(The Skech Book)

1819〜1820、ワシントン・アーヴィング(Washington Irving)(1783〜1859)

ラードナーよりも、100年も前のアメリカの作品である。そんな事を少しも感じさせないほど、新鮮な空気が、紙面から立ち昇ってくる。それは、新大陸とし てのアメリカ、粗暴で荒々しくも自由なアメリカの香りがする。そしてまた、海や大地の香りがする。
邦訳はあるが、古書でしか手に入らない。(新潮文庫のものが良い)
TheTriumphOfTheEgg

卵の勝利(The Triumph Of The Egg)

1921、シャーウッド・アンダスン(Sharwood Anderson)(1876〜1941)

抽象されない、ありのままの、矛盾した人間像を描いている。人生は陰鬱であるし滑稽であるが、美しい。
邦訳も出版された事があるが、現在は古書でも手に入りづらい。

RoundUp

寄せ集め(Round Up)

1928、リング・ラードナー(Ring Lardner)(1885〜1933)

How To Write Short Stories(1924)、The Love Nest and other stories(1926)に収められた作品がすべて、この3冊目のRound Upに含まれていて、これだけ買えば主なものは全部読める。ラードナー、本当に面白い!
邦訳は新潮文庫、福武文庫から加島祥造氏のものがあるが、現在は古書でしか手に入らない。

LamentsForTheLiving

生けるものへの挽歌(Laments For The Living)

1930、ドロシー・パーカー(Doroty Parker)(1893〜1967)

アンソロジーでは邦訳が紹介されているが、パーカーのみの邦訳短編集は出版された事はないようだ。
KiplingsProse

ラディヤード・キプリング短編選集(A Choice Of Kipling's Prose)

1952、ラディヤード・キプリング(Rudyard Kipling)(1865〜1936)

サマセット・モーム選によるキプリングの短編集。
岩波文庫に邦訳短編集がある。


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