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ビッグ・ビル・ブルーンジー自伝『ビッグ・ビル・ブルース』(1955年)
■ビッグ・ビル・ブルーンジー自伝『ビッグ・ビル・ブルース』(1955年)
(Big Bill Broonzy, Big Bill Blues: William Broonzy's Story)
全訳
BigBillBlues.pdf (344kbyte)
脚注
このBig Bill Bluesを翻訳するまでに至ったのは、なにより、僕のBig Bill
Broonzyへの憧れである。彼の魅力は大きく2つあると思う。
一つは、彼自身の人間としての魅力である。陽気な酒飲み、女好き、大ぼらを吹いては腹を抱えて笑い転げる。(この自伝も彼の大ぼらの一つだ。)分け隔てな
く人と付き合う。冷たい世間の中でも、すねたりしない、シカゴのミュージシャン達の兄貴分として、つまづきそうな仲間を励ます、信用できない奴でも信用し
てやる、苦しい懐から工面してメシを食わせてやり、仕事を回してやる優しさ、力強さ。今、私の周りで、このような人物を知らない。今日の日本人が忘れてし
まったものがある。だから僕は彼に憧れる。
もう一つは、音楽に対する気高い姿勢である。まったく収入にならないとわかっているブルースの演奏を、それが好きだから続ける、仲間が一緒だから続ける。
みんなのためにやる。儲けようなどと期待しない、好きだからやる、続ける。町内のお祭りで、毎年、太鼓を叩く親父たち、と言うと伝わるだろうか。でもその
演奏は真剣なのである。今、日本で聞く音楽で、このような気高さを見ることは少ない。だから僕は彼に憧れる。音楽はいつからか、スタイルで語られるように
なってしまった。洋服や
アクセサリと同列である。アマチュアミュージシャンも同じことだ。楽器を鳴らしたいだけの楽器好き、仲間と騒ぐ事が好きなバンド好きは、肩身の狭い思いを
していないだろうか。
※スタッズ・ターケル氏の訃報を聞いたとき、この翻訳原稿を公開しろと言われたような気がした。
版権の確認が取れていないが、しばらく掲載しようと思う。
スタッズ・ターケルによるビッグ・ビル・ブルーンジーへのインタビューがCDでリリースされている。
それははこちらを参照。
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