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■テレキャスター・シンライン(telecaster thinline)

tn70  エレクトリック・ギターが、アコースティック・ギターと決定的に違うところは、楽器がそれ一つでは完結しないことにある。アコースティック・ギ ターはソロが充分成り立つけれど、エレクトリック・ギターはバンドで弾く楽器だと断言しても良いだろう。エレクトリック・ギターを本当の意味で” 弾く”のは1人では出来なくて、「バンド」、つまり「仲間」が必要だ。
 他人の音とのぶつかり合いが生み出すハーモニー、グルーブは、音楽の持つ本質の一つである。同時にこれは、人の群れが生み出す”社会”という現象の本質 に も通じている。エレクトリック・ギターはある意味においては、アコースティック・ギターよりずっと、音楽の本質に近く、人間臭い楽器だと言える。
 アコースティック・ギターばかりを弾くようになった今、僕がこのテレキャスターに対して抱いてきた”憧れ出でる”ような印象は、そこにあるように思う。 今はもう消えてしまった、友人達と過ごした時間、一緒に 楽器を鳴らした時間。テレキャスターを鳴らしたいという気持ちは、今では取り戻すことの出来ないあの時間への憧憬なのだ。





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