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要約すると(The Summing Up)1938、W・サマセット・モーム(William Somerset Maugham)(1874〜1965)タイトルの通り、モームの思想が凝縮された一冊であるが、それはまた、現代の僕らの思想の凝縮だとも思える。誰が読んでも、強い親近感を感じるのではない だろうか。善と悪が混沌としているこの世界にあっても、生きる事には意味がある。最終章でのモームの結論は、不安な社会に生きる僕らの力強い指針である。 2007年に岩波文庫から新訳が出ている。 |
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人生と文学(The Vagrant Mood)1952、W・サマセット・モーム(William Somerset Maugham)(1874〜1965)以下の7編のエッセイが収められている。 ・作家の立場から ・オーガスタス ・スルバラン ・探偵小説衰亡史 ・バークを読んで ・ある書物についての感想 ・私の知っている作家 思いつくままに、色々なテーマについて、肩の力を抜いて語っている。 ある書物とは、カントの判断力批判。私の知っている作家とは、ヘンリー・ジェイムスのこと。『バークを読んで』は、英語の文体論。『探偵小説衰亡史』で は、「戦争と平和」より探偵小説の方がが好きだと読者の足元をすくった後、レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウとダシール・ハメットのサム・ スペイドを絶賛している。 |
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作家の立場から(Points Of View)1958、W・サマセット・モーム(William Somerset Maugham)(1874〜1965)以下の5編のエッセイが収められている。 ・詩人の三つの小説 ・聖者 ・散文とチロトソン博士 ・短編小説 ・三人の日記文学者(ジャーナリスト) 詩人とはゲーテの事で、「若きウエルテルの悲しみ」、「ヴィルヘルムマイスターの修行時代」「親和力」の評論。『聖者』ではインド思想について語る。『散 文とチロトソン博士』は、英語の文体論。三人の日記文学者とは、ゴンクール兄弟、ジュール・ルナール、ポール・レオートー。 |